光の天秤 -自叙伝-
このブログについて
自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。
2016年5月31日火曜日
追憶 1359
それを見て、他の者が賞賛(しょうさん)の声を上げた。
拍手が場を包んだ。
彼は誇らしげに皆を見渡し、自分の功績に満足しているようであった。
「皆で、自分よりも困っている人に施(ほどこ)そう。わたしたちにはそれが許されている」
彼が高らかに言い放つと、次の者が進み出た。
そこで、わたしは視界が滲(にじ)むのに気が付いた。
わたしはもうここにはいられない。
時間が無いのだろう。
その時、再び賞賛の声が上がった。
しかし、それは遠くに聞こえた。
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