赤ん坊を抱くとわたしは吐き気に襲われて、大量の黒い煙を吐き出した。
それは、目前の空中に固まり、行き場所を探しているように感じる。
わたしは赤ん坊を抱いたまま、光の十字架を生み出し、それを黒い煙の固まりに対して投じた。
黒い煙に刺さった光の十字架が輝きを増すと、光の爆発によって黒い煙が吹き飛ばされて、後には光の粒が残った。
光の粒を集め、掌に息を吹き掛けるようにすると、それは天に向かって昇っていった。
その光景を眺めていると、心が喜びによって満たされていくのに気が付いたのである。
視線を落とすと、赤ん坊は笑っていた。
肌は白く、”普通”の赤ん坊であった。
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