願いを告終えると、赤ん坊は安心したように瞼を閉じた。
わたしは再び、赤ん坊を籠の中に寝かせた。
「おやすみ」
次の瞬間には、わたしは戻っていた。
赤ん坊は、Hのお腹の中の霊体に違いないであろう。
赤ん坊が黒く苦しんでいたのは、Hとその関係者の抱えるネガティブな集合意識によるものである。
Hは何と無く赤ん坊の苦しみに気が付いているようではあるが、父親であるYも、Hの家族もそのことには気が付かない。
それは、目の前の問題に対して手一杯であり、堕胎の話すら出ていることからも察することができる。
赤ん坊の願いの一つは、彼等に意識的な争いによって傷付け合うことをやめさせることであった。
瞼を開けると、Hの背中が出迎えていた。
わたしは現時点において伝えても良いことだけを伝えて、仕事を終えた。
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