わたしはそれを覗き込んだ。
そこには肌が夜空よりも黒い赤ん坊が苦悶(くもん)の表情を浮かべていた。
わたしは赤ん坊に触れた。
すると、指先からネガティブな感情が流れ込んできて、胸を刺し貫(つらぬ)いた。
わたしは辛くなって、涙が頬(ほほ)を伝うのを許した。
これは、赤ん坊の気持ちである。
わたしは悲しくなった。
この子は独りで苦しんでいるのだ。
これではいけないと思った。
赤ん坊に触れる程にネガティブな感情が流れ込んできては胸の傷を深くしたが、それでも腕に抱きたいと思ったので、わたしは赤ん坊を籠から取り上げた。
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