Hも家族も、Rに対する哀れみが消えることはなかった。
Hは自分を責め続けていた。
そんなことをしても、何の豊かさも導きはしないのに…
Rは両手の中指が無い状態で生まれたが、掌(てのひら)の中心まで開いていた。
医者の話によれば、成長すると掌が更に開いてしまう可能性があり、利便性と”見た目”が良くないということであった。
そこで、開いた掌を縫い合わせることに決まった。
指は四本のままだが、それによって生活するのには苦労することが少なくなるという考えである。
Rが生まれて約3ヶ月が経って、広島の病院で手術を受ける手筈(てはず)となった。
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