何百、何千もの光が一点を目指すと、わたしの視界には真っ白な光が溢れた。
そこには一筋の暗闇も残ってはいない。
ただ、汚れの無い純白だけが視界を覆い尽くすのであった。
わたしは何気なく真っ白な世界を進んだ。
何かに導かれるようにして足(意思)が向かうのである。
そして、しばらく進んだところでわたしは足を止めた。
それは、目の前に人の背中があったからである。
視線の先に一人の男が全裸で膝(ひざ)を抱えるようにして座っている。
男は背中を丸め、膝を抱える腕に頭を伏せていた。
わたしはぼんやりとした頭で男に近付き、声をかけようとしたところであることに気が付いた。
それは、わたしの目の前で膝を抱えて座っている男がわたし自身であるということであった。
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