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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2012年7月30日月曜日

追憶 160

わたしの返事に対して、狐はとても喜んでいるように見えた。
ぴょんぴょんと身軽に何度も繰り返し飛び跳ねる様は、ウサギが喜んで飛び跳ねている光景に重なるところがあった。
飛び跳ねていた狐たちは同時にわたしを目視し、一つ地面を蹴って高く舞った。
頭より少し上、見上げる高さまで舞い上がった狐たちは落下するようにわたしに向かってきた。
そして、わたしの肩に着地するようにしてそれぞれが乗っかったのである。
狐たちが肩に乗ると、えも言われぬ力が湧いてくるようであった。
例えるなら、長年会いたいと願っていた人に再会できた時のような喜びと興奮が胸に迫るのである。
わたしはそれをとても嬉しく思った。
心の底から力が湧いてくるのが分かる。
感動して涙が溢れてきそうになるのを理性が止めた。
建設的な状態の意識的な存在と繋がるというのが、こんなに素晴らしいものだということにわたしは初めて気が付いたのだった。

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