おそらく、この狐は自然界に生きる神で間違いないであろう。
狐が苦しんでいるのは、自然が破壊されたからであろうか?
多くの命が無闇矢鱈に奪われているからだろうか?
きっと、人間が行う開発によって自然の景色は壊され、そこに生きる命は苦しみを得ることとなったであろう。
それが黒い刃物となって狐を襲っているように見えた。
それに加え、人間が生み出す破滅的な感情というものも強く感じることができた。
狐にとっては、自然とその中に生きる命は大切だが、そこに生きる人間というものもまた大切なのだろう。
自分たちの生活をより快適にするために自然を破壊する人間。
そのように強欲な存在であったとしても、神からすれば同じく愛すべき命に変わりはないのであろう。
黒い刃物に触れていると、これが狐に刺さったというよりは、狐が自らそれに刺さったという方が正しいのではないかと思うようになっていた。
それは、苦しみの中にある狐の心があまりにも愛情で満ちていたからである。
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