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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2012年7月6日金曜日

追憶 136

倒れている狐に近付くと、何やら黒く鋭く尖ったものがその胴体部に突き刺さっているのが確認できる。
それに射抜かれているがために弱っているのであろう。
わたしが今ここにいるのは、狐の胴体に突き刺さるものを取り除き、助けるためであるに違いない。
論理的にはそうであるだろうが、わたしはそのようなことも考えぬままにその黒い物体を掴んでいた。
それを掴んだ途端に全身に悪寒が走ったのを覚えている。
指先から頭の天辺に抜けるのは怒りや悲しみなどが入り交じったような感情であった。
それをうまく表現することは難しいが、その感情は凶器となり狐を襲っているようである。

意識的な世界では、感情などの思いは相当な力を持つ。
物質的な世界では形を持たない思いであっても、こっちの世界では立派な形を持っているのである。
思いの力を侮ることはできない。

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