このブログについて

自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2012年5月21日月曜日

追憶 90

わたしは自らの感覚を信じてみることにした。
黒い犬はわたしの身体を使うことで苦しみを解放しようとしているのだと、そう信じた。
すると、わたしの気持ちが通じたのか、声は次第に大きさを増していくのだった。
小さく唸(うな)るような声は次第に悲鳴のような叫び声へと変わっていた。
我ながら、自らの置かれている状況が不思議で仕方なかった。
どの位叫んでいたのかは分からないが、喉の痛みを覚えたところで目が覚めた。
わたしは狐につままれたように呆気にとられてしばらくの間きょとんとしていた。
思った以上に思考が働かなかったのである。
頭がぼんやりとしているのは、疲労感からである。
黒い犬の感情を表現することは、思った以上に体力のいる作業のようであった。
わたしは体力の回復を待って、状況を整理しようと考えていた。

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