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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2012年5月9日水曜日

追憶 78

進む先に何かの答えが用意されていると信じていたからである。

わたしは心の中に沸き上がる感情を一つ一つ制するようにして先へ進んだ。
しかし、ここで足が異様に重たくなっていることに気が付いた。
そう言えば「体」も重たいように感じる。
全身に鉛を装着して歩いているような感覚である。
心が憂鬱になるから「体」が重たくなるのか?とも考えたが、どことなくそれとは違うような気がしていた。
わたしの問題ではなく、この空間そのものがわたしを寄せ付けないようにしているのではないか?と思えるのである。
ここより先は強い拒絶のような思いが道を塞いでいた。
努めてはみたものの、ついにわたしはそこから一歩も足を運ぶことができなくなってしまった。
わたしは重たい体を持て余して、その場に腰を下ろすことに決めた。
重たくなった体がその場に勢い良く倒れ込む。
すると、何かがいきなりわたしの体を掴み、今来た道を引きずり戻されるような感覚と共に目が覚めていた。
目が開くといつもの部屋の風景。
何の変哲もない。
わたしは目頭を押さえて軽く頭を左右に振った。
暗闇の空間で溜まった価値観や感情を振り払おうとしたのである。

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