感情とは複雑なものである。
表面的には一つのものに見えていたとしても、その深部には複雑さを抱えている。
感情と向き合う時に正面から向き合うことは危険である。
それは見た目がすべてではないからである。
見た目など本の一部に過ぎないだろう。
それは店舗の看板のようなものである。
看板に惹(ひ)かれて入店しても、そこに自らの想像するメニューが並んでいるかと言えばそうではないであろう。
焼肉店の一番人気がラーメンかも知れない。
それは稀なことではあるかも知れないが、感情とはそういうものではないだろうか?
怒っている人が怒っているとは限らない、その怒りは悲しみによって生み出されたものかも知れない。
感情とは変化球そのものであろう。
真っ暗で寂しい空間に木霊するうめき声も、表立った怒りは感じるものの、それが本質ではないように思える。
わたしはうめき声に対して意識を合わせ、その感情の本質を探ろうと努めた。
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