声を発しようとしてもそれが出来ない。
肉体は水圧によって潰されているかのようにピクリとも動かせなかった。
鼓膜は張り詰めるように膨張し、強烈なプレッシャーが心を襲った。
その時、わたしは窓を隔てた部屋の外に何かがいるのを感じていた。
激しいプレッシャーの中であるため、それが何であるのかを確認する余裕など持てなかった。
しかしながら、それは窓の外から確実にわたしのことを見ているのである。
すると、それは窓をすり抜けるように部屋に侵入して来た。
窓はわたしが眠っているベッドのすぐ横にある。
窓をすり抜けるように部屋に侵入して来た何かは、そのままわたしを観察するように頭上で静止した。
目を開けようとしても、びくともしなかった。
わたしの中には強烈な不安と恐怖心が生み出されようとしていた。
それを避けよと様々なことを試みたが、すべての感覚が否定されているために、小さな抵抗すらも叶わない。
わたしは完全にお手上げ状態だった。
その時、わたしの耳元に何かが近付いてくるのを感じた。
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