これは夢なのだろうか?
しかし、起きている感覚もある。
まるで肉体は寝ているにも関わらず、心は起きて自由に行動しているような感覚である。
幽体離脱というものだろうか?
わたしは疑問を抱えながらもその流れに身を任せることにした。
すると、目の前の映像が何時の間にかに消えていることに気が付いた。
それは余りにも自然であったために、何の違和感も無かったのである。
わたしは浅い眠りの中にいるような感覚に戻っていた。
その時にはもう、裏山からこちらに向かって来ていると思われるザワザワのことなどすっかりと忘れてしまっていた。
わたしが安心感の中で深い眠りに就こうとしたその時、わたしは強烈な違和感に襲われる。
それはほんの一瞬のことではあったが、何かが違うのである。
それが何かは分からないけれど、何かが違う。
わたしがその違和感を探ろうとした瞬間に、わたしは物凄い力でベッドに押さえ付けられた。
「な…に…!!!」
言葉にならなかった。
声として発音することすら出来なかった。
わたしは肉体のすべての自由を奪われてしまったようだった。
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