わたしは彼の行為に驚いた。
話を聞くと近く?のコンビニまでコピーを撮りに行って来たらしかった。
しかしながら、ここからコンビニは見当たらなかった。
わたしが彼の立場ならば、
「申し訳ありませんが、自信が無いので詳しくは別の人に聞いて下さい」
とでも答えていただろう。
愛媛でも東京でも埼玉でも、初対面の、しかも素性も分からないわたしにここまでやってくれた人はいなかった。
大阪人だからだろうか?
それとも個人的なものであろうか?
わたしは彼の思いやりに感動していた。
わたしが何かお礼をしようとしても、彼は「いらん、いらん!」と言って取り合おうとはしなかった。
「ほなまた!」
その言葉を残して彼は足早に去って行った。
わたしは彼の背中に「ありがとう!」と言った。
「気ぃ付けてな!」
彼の背中からは爽やかな返事が返って来た。
清々しい気持ちである。
地図を頼りにバイクを走らせた。
15分くらい走ると友人のアパートに到着することが出来た。
わたしはもう一度心の中で彼を思い浮かべて「ありがとう」を伝えた。
その後、友人が帰宅し、わたしたちは久々の再会を喜んだ。
しかしながら、大阪に着いたわたしは一つ問題を発見してしまう。
それは、バイクの左後方のウィンカーが点灯しないというものであった。
わたしは電球が切れたのだと思い、次の日にバイク屋を探そうと考えていた。
0 件のコメント:
コメントを投稿