不思議とわたしはその光景に何の違和感も感じなかった。
普通に考えたらおかしなことではあるが、この時はとても自然なこと、ごく普通のことのように思えた。
わたしはKとHが寝息を立てていることを確認した後、何気無く老人が座っていた岩に向かった。
歩きにくい足場を気にしつつ、わたしはなるべく平らな石を選んで進んだ。
川の流れる音が次第に大きくなった。
ようやく岩に辿り着き、30センチほどの水の流れをまたいで岩に取り付いた。
高さにして2メートルくらいある岩を登り、老人の痕跡(こんせき)を探った。
しかしながら、そこには特にめぼしいものもなく、ただの岩の表面が広がるだけであった。
見渡せば、川原が一望できる。
それがとても心地好かった。
わたしは老人がそうしていたように、岩の上に腰を降ろすことにした。
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