気にしなくなると気にならなくなるものである。
彼らと遭遇したわたしの心はなぜか満足しており、心地好い眠りが迎えに来てくれるような気配を感じていた。
そこでわたしの記憶はなかった。
どのくらい眠ったかは分からなかったが、わたしは寒さと身体の痛みに目が覚めた。
冷たく固い岩場で寝ているために体温は奪われ、身体は凝り固まってしまうのであろう。
凝り固まった身体を気遣いながら寝返りを打つと、わたしはそこで固まった。
見ると、Hが寝ている姿があるが、それに覆いかぶさるようにして「何か」がいる。
それは、黒く大きなものであった。
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