何気無く視線をやると、岩の上に人が座っているように見えた。
寝ぼけているのか?霧による見間違いか?などと思ったが頭がまともには働かなかった。
しかしながら、一瞬だけ視界に飛び込んできたものは人の姿であったし、一瞬のはずなのに、それよりも長い時間眺めていたような不思議な感覚もあった。
川面に突き出ている大きな岩の上には、立派な白い髭を蓄えて毛皮?か蓑(みの)?をまとった老人が、あぐらをかいて座っているのが見えたのである。
老人は薄汚れた身なりをしていたが、目には映らない神々しい雰囲気をまとっていた。
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