得体の知れない何かはHを一通り観察した後、隣で眠っているKを覗き込み始めた。
何をしているのかは分からなかったが、それはわたしたちが何者であるのかを確かめているような感覚であった。
Kを観察し終えたそれは、わたしのところにやって来た。
わたしはそっと目を閉じた。
なぜか、そうした方が良いように感じたのである。
わたしの心はとても落ち着いていた。
それは、その黒い何かからは優しさを感じることができたからである。
わたしが落ち着いて身体を差し出すと、その黒い何かはわたしの匂いを嗅ぐような仕草をした(ように思えた)後、きびすを返してどこかへと去っていった。
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