山の神様が侵入者を確認しに来た?
きっとそんなところだろう。
黒い何かがわたしを覗き込んでいる時、わたしは古い記憶を思い出していた。
それは、自然の中で遊ぶ幼い自分自身の姿であった。
田んぼには蓮華(れんげ)が咲き誇り、あちらこちらから蛙の鳴き声がしている。
田んぼの脇を流れる小川にはキラキラと光る水が流れ、そこには数匹のイモリがいた。
陽の光はわたしを柔らかく包み込み、そよぐ風はどこからともなく花の香りを運んだ。
わたしにとってはその記憶が最も幸福なものである。
黒い何かがわたしに見せた?記憶は、わたしに「自然」を思い起こさせた。
わたしは自然の中で生きているのだ。
強くそう思ったまま、眠りに落ちた。
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