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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2012年11月30日金曜日

追憶 283

吐き出したどす黒いものは宙を漂い、やがて何処へともなく消えてしまった。
次の瞬間には自らの感覚に戻っていた。
瞼を開いて部屋の空気を眺めたその時、身体にのしかかるようにして急に疲れが襲い、わたしはその場に座っていられなくなって身体を倒した。
目を閉じて考える。
わたしの中には膨大な量の劣等感が蓄積されていた。
それは幼少の頃から心の中に積りに積り、頑(かたく)ななものとしてわたしの価値観や人格を支えていた。
幸いなことに、今回はそれを一旦リセットする機会を得ることができた。
ある意味、これはわたしに対して、誰かがもう一度人格形成をやり直すチャンスを与えてくれたように思える。
より良い人格を築き、より豊かな人生を実現させるチャンスが与えられたのだと思えた。
わたしはこのチャンスを逃す訳にはいかない。
今までどれだけ多くの人に迷惑をかけてきたことか。
これは人生をやり直すチャンスなのである。
ここで間違ってはいけない。
期待に応えなければならない。
ここで間違ったら、わたしには次は無いように思えた。

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