「大天使…ミカエル…」
先ほどの雷によって、大天使ミカエルという名前は心に焼き付いたようだった。
忘れようにも忘れられないほどの衝撃であったからだ。
こんなに心に衝撃が走ったのは、好きな女の子に振られた時以来である。
わたしは大天使ミカエルという名前を生涯忘れることはないだろう。
頭とお腹を押さえたまま、わたしは寝転がった。
そして、そのまま眠りに落ちた。
大天使ミカエルに出会ってからというもの、わたしの身体には小さな変化が現れ始めていた。
瞑想時に出ていたゲップは明らかに頻度を増し、以前に比べると簡単になっていたように思える。
それから、これは新しい変化であったが、口笛を鳴らすようになっていた。
もちろん、自分が鳴らしたくて鳴らすのではない。
それをしたいという欲求が溢れ、身体がそれに従うのである。
口笛と言っても、メロディを奏でるようなものではない。
号令を掛ける時のホイッスルのような、短く鋭い音の口笛である。
口笛というよりは、呼吸法であるかもしれない。
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