このブログについて

自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2012年11月2日金曜日

追憶 255

その時、わたしは自らの右腕がゆっくりと高く振り上げられるのに気付いた。
自分でそうしているのではなかった。
それはわたしの意思を離れたところで行われていることである。
身体が重たいので、腕一本を上げるのにも一苦労だった。
それを支えていると、今度はその腕が背中に向けて傾き始めた。
わたしはその方向には腕が曲がらないことを知っている。
しかしながら、腕は何の違和感もなく背中へと伸びていく。
幼い頃、ソフトビニールの人形で遊んだ。
はめ込み式の腕は肩を支点として一回転したものである。
今、わたしはその光景を思い出していた。
自らの腕が変な方向に曲がるのを見て、わたしの思考の中には「?」が列をなしていたが、どうやらわたしの常識は通用しないようである。
わたしは自らの肉体が動いているのを感じたいたが、それと同時に意識的な自分の身体?も連動しているようであった。
そのため、肉体的には関節の可動範囲を越えてはいないものの、意識的な身体はそれを無視しているのである。
だから、わたしの肉体である右腕は背中に触れてはいなかったが、意識的な右腕は背中へと伸びていくのであった。

0 件のコメント:

コメントを投稿