その杭は黄金の輝きを放ちとても綺麗だった。
わたしはその杭に見惚れてしまう。
それは、暖炉の炎を眺める時のような感覚である。
思考を無にして、ただぼんやりと景色を楽しむ。
あの安心感がそこにはあった。
黄金の輝きを放つ杭にはそのような不思議な魅力がある。
その時、美しく透き通った男性の声が聞こえた。
「それを掴みなさい」
その声は直接的に脳裏(もしくは心)に届く。
何の汚れも干渉もない、美しい調べであった。
その声の主は大天使ミカエルである。
わたしはその言葉が自分にとっては正しいことを知っている。
何の疑問も持たず、ただ素直にそれに従った。
黄金の杭は優しさと強さを併せ持つような光を放つ。
それをわたしは強烈な父性のように感じた。
神が存在するかは分からないが、宗教が神を「父」と現すのはこういうことなのかもしれないと思った。
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