背中へと伸びた意識的な右腕は、そのまま背中の中に入っていった。
そして、その指先に何かが触れる感触がしたと思えば、それを掴んでいた。
それは、濡れた鳥の翼の感触そのままであった。
わたしの右腕はそれを引き抜こうとしているようであったが、うまくはいかない様子である。
すると、それを助けるようにして左腕が動き始めた。
右腕と同じように頭上へと高く伸びて、そのまま背中へと向かった。
背中に入ってた左腕は、右腕に同じく翼を掴んだ。
そして、それを力任せに引き抜き始めたのである。
しかしながら、簡単にはいかない。
しばらく格闘し、わたしはかなりの労力を費やして一対の白い翼を引き抜いた。
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