黒い大蛇は自らの存在を維持するために、わたしを犠牲にする必要があった。
破滅的な力に支配されてしまった存在は、破滅的な状況を次々に呼び寄せる。
彼らはそうしなければならないのだ。
わたしたち人間が命を維持するために呼吸をし、水を飲み、肉を食らうのと同じで、破滅的な存在はその命を維持するために破滅的な状況が必要なのである。
そのため、破滅的な存在は破滅的な状況を必要とし、それを導こうとする。
その様に破滅的な力に支配され、溺れてしまった存在を人は悪霊と呼び、忌み嫌う。
破滅的な状況を次々に呼び寄せるため、嫌われるのは仕方のないことだ。
それが普通である。
しかしながら、わたしはそれとは少し違う価値観を持っていた。
破滅的な力に支配されてしまった者をどうしても悪くは思えないのである。
どうにかして助けてやりたいと考えるのがわたしなのである。
それは、わたし自身がかつて破滅的な力に支配され、多くの人に迷惑をかけてしまったという経験を所有しているということがあるだろう。
彼らの気持ちが何となく分かるような気がするのである。
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