暗闇に黄色の目玉が浮かんで見える。
その眼光は鋭く、凄まじい敵意を以ってわたしを睨み付けた。
わたしは芯から震えた。
背筋が凍り、全身が泡立った。
逃げなければならないという気持ちと、立ち向かわなければならないという気持ちがぶつかり合い、精神がどうにかなってしまいそうだった。
黒い大蛇はそんなわたしを嘲笑うかのようにゆっくりとその巨体で忍び寄り、この身体に巻き付こうとしているようであった。
わたしは金縛りにあった時のように全く動くことができない。
黒い大蛇の氷のように冷たい鱗(うろこ)が足首に触れる。
わたしの身体を巻き付けるようにして肩まで達したところで、黒い大蛇はわたしの耳に何かを吹き込むような仕草を見せた。
それが何なのかは分からなかったが、そのノイズのような汚い音?を聞いていると、心の中に大きな不安感が生み出されるのを理解することができた。
所有している目的や目標は何時の間にかに影を潜め、すべてのことに対して無気力で無関心になり、心が重たく沈んでいくような感覚があった。
わたしは心のどこかでこの状況に対して危機感を覚えていた。
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