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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2012年8月4日土曜日

追憶 165

それは危機感や恐怖心に通じるところがある。
わたしはこの場から逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。
しかしながら、ここから逃げてはいけないと食い止める気持ちもあった。
わたしは後者の気持ちを必死で掴むことに決めた。
それは、意識的なことに関しては逃げてはいけないと強く感じることがあったからである。
逃げ出したい気持ちと必死に闘いながら、暗闇の先に潜んでいるであろう恐怖の根源に対し、わたしはその意思を必死でぶつけるのであった。
その時、狐たちが暗闇の中にいるのが見えた。
わたしはそのことに安心感を得て、胸の緊張が少し解けた。
しかしながら、それもつかの間のことであり、すぐに緊張が蘇ってくるのであった。
それは、暗闇の中、狐たちが恐怖に駆られて明らかに怯えていたからである。
二匹は震える身体を寄せ合うようにして固まっていた。
普段、あれほど陽気な狐たちがこれほどまでに怯えているのはただ事ではないだろう。
この先に一体何があるというのだろう?
わたしは膨らむ不安と恐怖と必死で闘った。

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