このブログについて

自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2012年8月23日木曜日

追憶 184

わたしは心に込み上げてくる熱い気持ちを熱い意思にして叫んだ。

「わたしはお前(黒い大蛇)には負けない。そして、お前を助けたい!」

わたしは心に浮かぶ思いを黒い大蛇にぶつけてみた。
すると、暗闇の中に浮かぶ黄色の目玉が一瞬だけだがひるんだように思えた。
高圧的な感情を強いていたそれが、一瞬ではあれ、明らかに動揺したのである。
わたしは既に黒い大蛇のことが怖くはない。
どういう訳か、むしろかわいくさえ思う。
その黒い身体に触れたくて仕方がない。
抱き締めたいという衝動にかられるのである。
その時、狐たちは黒い大蛇を離れて、わたしの前で黒い大蛇に向かって立ちはだかった。
狐たちは相変わらず威嚇(いかく)を続けているようだった。
狐たちの気持ちも分かるので好きにさせた。
しかしながら、わたしは黒い大蛇に触れたくて仕方がない。
いたたまれなくなったわたしがこの気持ちを行動に移そうとした時、目の前から黄色の目玉が忽然(こつぜん)と消えた。
そして、黒い大蛇の全身を背後の暗闇が包み込むように隠していく。
わたしは驚いたが、それをどうすることもできなかった。

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