このブログについて

自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2012年8月29日水曜日

追憶 190

狐たちの美しい瞳がわたしの中の何かを捉えた時、狐たちはわたしに対して話し始めた。
しかしながら、口を開いて声を発するというような方法は用いない。
意識的な存在は意思を意識的な方法によって伝える。
意識的な存在はその意思を自らの頭の中(心の中)から相手の頭の中(心の中)に直接的に届ける。
意思疎通が基本的な伝達手段なのである。
だから、狐たちはわたしをその美しい瞳で捉えるだけで微動だにしない。
それで事足りるのである。
わたしの頭の中に狐たちの意思が流れ込んでくる。
それは、わたしの右手を使って現れるのが「ハク」という名前であり、左手を使って現れるのが「コン」という名前であること。
ハクが雄であり、コンが雌であるということ。
二匹は互いに二百歳であり、我が家から1kmほどの場所にある小さな神社の隣のセンダンの巨木が母親であること。
わたしの所にいるのは霊力を高める修行のためであること。
など、様々なことを教えてくれた。
いつも疑問に思っていたことがあるのだが、二匹の母親であるセンダンの巨木の近くを車で通る度に、ハクとコンが出てきては人差し指と薬指をピンと立てた状態でその指を激しく動かすのである。
なぜかその辺りで毎度出てきては激しく動くので気にはなっていたのだが、その謎がやっと解けた。

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