それを阻止しようとしているのが狐たちであった。
それは、宿主であるわたしの心が破滅的な感情に食われることによって、その守護者である狐たちも同じ末路を辿ってしまうからであろう。
宿主である人間と、その守護者である意識的な存在はその心によって一つに繋がっている。
その心が破滅的な状態に陥ってしまえば、意識的な存在も同じように破滅的な状態に陥ってしまうのである。
狐たちからすると、わたしの心が破滅的な状態に陥ることは阻止しなければならない。
もちろん、わたしもあの苦しい鬱状態はごめんである。
わたしたちの利害は一致している。
何とか黒い大蛇を遠ざけなければならないのである。
狐たちは勇敢に闘っていたが、黒い大蛇には歯が立たない様子だった。
暗闇に浮かぶ黄色い眼光がわたしの背筋を寒くさせる。
わたしは黒い大蛇に睨まれるプレッシャーからくるストレスと、自らの弱さにだんだんと腹が立ってきていた。
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