わたしの頬をかすめ、黒い大蛇に突き刺さったものは狐だった。
先程まで恐怖に震え、うずくまっていた狐の一匹が黒い大蛇に襲いかかったのである。
狐はその小さな身体で黒い大蛇に噛み付いて離れなかった。
その光景にわたしは驚いた。
狐はわたしのことを守ろうとして黒い大蛇と自らの中の恐怖に立ち向かったのだろう。
その時、わたしの中に一筋の光が横切るような感覚があり、その心は鬱から解放された。
心に力が溢れてくるのが分かる。
勇気と熱意が湧き出るように戻ってくるのである。
わたしは大切なことを思い出したような気がした。
黒い大蛇に立ち向かわなければならないと決意した。
自分のことは自分で守らなければならない。
自分の道は自分自身で切り開かなければならない。
目の前に恐怖が横たわっていても、それに立ち向かい、乗り越えていかなければならないということを思い出したのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿