内容の分からない三行の天使文字を書き終えると、それを直線で囲った。
	すると、文字が金色の光を放つ。
	それに両手で触れると、彼の背中に押し込まれるように消えた。
	わたしの目の前には暗く何も無い空間があった。
	それは手を伸ばせば届くような狭い空間にも思えたが、果てし無く広いようにも思えた。
	わたしは目の前の暗い空間を虚無(感)だと感じた。
	これは、彼の心であり、彼の抱えている虚無感なのではないか?
	わたしにはそう思えるのである。
	わたしは虚しさを感じていた。
	それは、この空間に共感しているからだろう。
	何もかもが虚しく思えた時、目の前に人影が現れた。
	それは始めからそこにいたのかも知れないし、今出現したのかも知れない。
	人影は暗い空間よりも少しだけ濃い暗さをまとっていた。
	
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