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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2014年6月24日火曜日

追憶 654

突然に耳をつんざくような甲高い音が頭の中に響いた。
わたしはそれが何だか分からなかったが、次の瞬間にはそれが少女の悲鳴であったと理解した。
少女は目と口をこれでもかというくらいに開き、驚愕(きょうがく)の表情を浮かべていた。
そして、目と口からは黒い煙のようなものが溢れ出ている。
それを見て、わたしは光の杭を掴む手に更に力を込めた。
やがて、目と口からは黒い煙のようなものが出尽くした。
それに比例して甲高い悲鳴は枯れていく。
悲鳴が枯れた時、少女は沈黙した。
そして、わたしは光の杭を掴む手の力を緩めるのであった。

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