少女は精一杯にわたしのことを睨(にら)み付けていた。
その表情からは深い憎しみが溢れている。
わたしは少女の恨みの感情に晒されると、それに対抗するように怒りの感情が噴出するのを感じた。
わたしはこの少女を「壊したい」と思った。
憎たらしく、邪魔な存在であると思ったのである。
わたしには冷静な判断というものが欠けていた。
相手は幼女なのだ。
幼い子どもがどのような態度を見せても、それに対して憎しみを覚えるなどということは有り得ないことであろう。
わたしは自分自身でもなぜそのようなことをするのかは分からなかったが、少女に近付いてその細い首に手を伸ばした。
白い肌は冷たく、わたしの手の温もりを奪おうとしていた。
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