Cさんを迎える日、わたしは怒りに支配されていた。
明確な理由は無いのだが、ちょとしたことで不満が沸き起こり、心が定まらないのである。
この状態に自分でも驚いた。
そして、心を整えようと努めるのではあるが、無駄な足掻きのようである。
Cさんを迎える数十分前、わたしは一人で瞑想を試みていた。
しかし、不満によって心は乱され、静寂に至ることは叶わなかった。
その時に、わたしは自分自身の表情が自分の意思に反して動くのを認識する。
それは、犬が敵を威嚇(いかく)する時のように、歯を剥き出しにして唸(うな)るような表情であった。
わたしはため息を吐いて、胸の中のストレスを押し出そうと努めた。
しかしながら、それも無駄であった。
その時、来客を告げるチャイムがわたしを瞑想から引き上げた。
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