このブログについて

自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2012年12月31日月曜日

追憶 314

ある日、Kが帰宅して二階にある自室へと向かった。
部屋の扉を開けると知らない老婆がベッドに正座して座っていた。
白い着物を着た老婆を見たKは、握っていたドアノブをゆっくりと戻した。
あり得ない光景に驚いたのだろう。
状況をある程度噛み砕き、それを半ば無理矢理飲み込んで再びドアを開いたが、そこには既に老婆の姿はなかった。
このように「見た」体験や金縛り体験などを簡単に話して聞かせてくれた。
わたしは霊体験をしたことがなかったので、Kから聞いた話が本当かどうかは分からなかったが、当時のわたしは自身の心が高揚していることに気が付いていた。
目に映らないものが見えるというのは、中学生だったわたしの心を非常に強くくすぐったのであった。
Kは「面倒くさいぞ」などと言っていたが、わたしは怖さと好奇心の狭間で揺らいでいた。


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