しかしながら、中学生だったわたしは霊を見たいという感覚よりも、その得体のしれない怖さに対しての好奇心が優っていたように思える。
霊自体よりも、恐怖心を求めていたような感覚であったのだろう。
だから、わたしは霊が見たいとは思ってはいなかった。
見るのは怖いと思っていた。
Kの話を聞くだけで、背筋に嫌な寒気がしたものである。
なんだかんだで中学を卒業したわたしたちはそれぞれに違う高校に進んだ。
高校に上がると、中学生の時には絡むことも無かったYと接する機会が増えた。
小学校の頃から知っているために元々仲は良かったが、中学の時はクラスが離れていたせいか、新しい友達との兼ね合いか、接する機会は少なかった。
Yは明るい性格の持ち主で頭が良かったが、運動神経はいまいちな男である。
中性的な容姿で整った顔立ちをしている。
しかしながら、どこか陰を背負っているような感じがしたものである。
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