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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2013年1月25日金曜日

追憶 339

小銭を握りしめて車を降りると、ひんやりとした空気がわたしの腕を撫でた。
寿司屋を出る時にも夜風の涼しさを感じたが、山のそれは一段と涼しさを感じるものであった。
自動販売機の近くには民家が二、三軒あるだけで、後は田畑と川が流れていた。
聞こえてくるのは川のせせらぎと蛙(かえる)や鈴虫などの昆虫などの鳴き声だけである。
それらの音が夜風を更に涼しくしているようであった。
とても心地好い気分である。
自動販売機にはたくさんの昆虫が群がっていた。
わたしは自分自身も自動販売機の明かりに引き寄せられる昆虫たちと同じだと思い、その光景を笑った。
その時、ふと自動販売機の横に人が立っているのを見た。
そして、次の瞬間にはその人は自動販売機の後ろに隠れるようにして姿を消した。
わたしは近所の人がジュースでも買いにきたのかな?と思った。

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