「変な奴だなぁ。後ろに隠れるかよ、普通…」
などと小さくつぶやきながら自動販売機へと向かった。
自動販売機の後ろには小さな畑があり、その畑に繋がるようにして民家の敷地がある。
わたしが見たのは白い服を着た髪の長い少女であった。(と思う)
もしかしたら、その民家に住んでいる子がジュースを買いに来て、わたしを見て怖くなって家に帰ったのではないだろうか?
わたしは、「何か悪いことをしちゃったなぁ…」などと思いながら、少女が隠れた?自動販売機の後ろを覗き込んだ。
しかしながら、そこには誰もいなかった。
いや、いるはずもなかったのである。
なぜなら、そこは畑と自動販売機を仕切るように網が張っていたからである。
人が入り込めるスペースは見当たらない。
わたしは目の前の光景に一瞬考えたが、考えても結論に至りそうにもなかったので、その思考をすぐに捨てた。
きっと見間違いであろう。
少女の白い服はぼやけていたので、自動販売機の明かりをそれと見間違え、髪の毛の黒は背景の闇夜がそう見せたのだろうということで落ち着けた。
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