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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2013年1月28日月曜日

追憶 342

車を走らせると民家はなくなり、川に沿って伸びる細い道に出る。
車ではすれ違うことのできないような狭い道である。
道の両側からは樹木がお生い茂り、その枝葉が空を覆ってまるでトンネルのようになっている。
この道はわたしの幼い頃からのお気に入りである。
窓を開けて走ると、川の流れを聞くこともできるし、何よりも昼間の木漏れ日の美しさに感動するのであった。
この道はわたしの心を洗い清め、純粋な子どもの頃に戻してくれるような力を持っているのである。
しかしながら、夜はその光景が一変する。
お生い茂る樹木は星の光を奪う。
真っ暗な道は寂しさを誘った。
心細い道を車のヘッドライトが照らし出すのが唯一の救いである。
光に向かって進めば、わたしは皆の所に辿り着くことができるはずである。

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