しばらく山道を走ると、山間部の小さな集落に辿り着く。
旧道は細い路地で、商店街のような作りになっている。
そこには人々の暮らしがあった。
わたしが走るのは新しく整備された道で、民家を迂回するように作られている。
田畑を挟んだ向こうの暗闇にぽつりぽつりと浮かぶ民家の明かりを眺めながら進んだ。
集落とは反対側の田畑と川を挟んだ向こうの山の麓(ふもと)に、使い道に困る程に新しく立派な小学校がある。
その校庭の隅を照らすように街灯が一生懸命に仕事をしているが、その仕事に意味があるのだろうか?
そんなことを思いながら大きなカーブを過ぎると、自動販売機の明かりが視界に飛び込んでくる。
わたしは喉の渇きを覚えたのと、小さな安堵感を得たような気がして車を止めた。
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