わたしはずっと、夢のことを考えていた。
熱帯夜の湿気のように、不快感が全身に纏(まと)わり付いて離れない。
何をしていても、炎に焼かれた老女の苦痛に歪んだ顔と悲鳴が、頭から離れないのである。
老女が焼かれた場所は、わたしの良く知っている場所であり、近くでは友人が働いている。
わたしは、仕事終わりにその場所へ向かうことを決めた。
そこへ行けば、夢や老女のことが何か分かるかも知れないと考えたからである。
そして、久し振りに友人の顔でも拝(おが)もうと考えたのである。
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