無事に親友の自宅に辿り着いた。
親友が車を降りて、門扉(もんぴ)を背にした時、親友の父親も同じように門扉のところに立っているのが見えた。
わたしが親友と別れの挨拶を交わしている間、父親はわたしに背を向けて自宅を眺めていた。
心なしか、その背中が小さく見えた。
きっと、自宅に帰ることを躊躇(ためら)っているのだろう。
迷惑を掛けた妻と娘に会うことを恐れているのかも知れない。
わたしは親友に状況を告げた。
親友は笑っていたが、その思いが親友の父親に届いたのかは不明である。
わたしは親友に対して、先に帰宅するように提案した。
それは、親友について行けば、自宅に帰り易いのではないかと思ったからだ。
わたしは親友が玄関の扉を閉めるのを見届けた。
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