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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2017年7月16日日曜日

追憶 1743

わたしは親友の許可を得て、敷地を散策した。
玄関を過ぎて、家の端まで歩いた。
すると、端の勝手口のような扉の磨りガラス越しの室内に、人の姿が浮かんでいるのが見えた。
その姿は磨りガラスによって滲(にじ)んでいるものの、体型から親友の父親だと一目で理解した。
わたしは親友に対して、父親の所在を告げた。
しかしながら、親友には何も見えていないようである。
わたしが出来る限り明確に見えているものを伝えると、それが風呂場から外へ通じる扉だと教えてくれた。
親友の父親は、この場所で自らの命を絶ったのである。



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