県道から脇道に入り、坂を登り始めた。
イワナの養殖場を越え、民家を抜けると小さな林があって、自宅に辿り着く。
彼女は何気なく林に目をやった。
何となく気になったのだ。
すると、そこにはいつもとは違う光景があることに気が付いた。
林の中は木々が立ち込めていて周りよりも一層暗かった。
その暗がりの中にオレンジ色の光が見えたのである。
彼女は子どもながらにそれに疑問を抱いた。
「何の光だろう?」
彼女が注意すると、それが襖(ふすま)から漏れる明かりであると理解した。
「こんな所に家があったかな?」
彼女は不思議に思った。
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