外は一層と明るくなっていた。
空にも白色が顔を覗かせている。
わたしは辺りに老人の姿を探したが、もう二度と彼を見ることはなかった。
どういう訳か、わたしは心身共に充実しているようであった。
まともに眠っていないにも関わらず、頭は冴えている。
身体も軽いような気がする。
わたしは心地の好い心と身体を跳ねさせて岩を降りた。
「ありがとう…」
わたしは自然とつぶやいていた。
つぶやいた後で、それが老人と周囲の自然に対するものであると理解するのであった。
わたしは何かを思い出した気がして、今も寝ているであろうKとHのところへと駆けた。
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