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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2012年9月26日水曜日

追憶 218


「お前の力となろう。お前の一部となろう。我の力となり、一部となれ。さすればお前は力を得よう。我の名は『白龍神(はくりゅうじん)』。この海を統べる者である…」

目の前の巨大な白い龍は、突然にわたしの心の中に強引に意思を投げ掛けた。
わたしは驚きの中にその意思を受け取ったが、これはとても素晴らしい申し出だと思い、すぐにその申し出を承諾した。
すると、白龍神は何も言わずに空に登り、そのまま南の方角へと飛び去ってしまった。
それと同時に視界がブラックアウトして何も見えなくなった。
わたしは自らの肉体の感覚を感じ、ゆっくりとまぶたを開いてみた。
そこには何の変哲もない見慣れた天井が当たり前の顔をして鎮座しているだけで、目の前からは黒い夜空も白龍神も消えていた。




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