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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2012年9月12日水曜日

追憶 204

それは、黒い背景の中に浮かぶ白い龍であった。
眩しい光を見た直後にまぶたを閉じると、光が残像としてまぶたの裏側に焼き付くことがある。
白い光の残像がまぶたの裏側の暗闇に焼き付いているのを見たことがあるだろう。
今わたしが見ている光景は、その現象に酷似している。
黒いまぶたの裏側に白い龍の形をした光の残像のようなものが見えるのである。
しかしながら、これは光の残像などではない。
なぜなら、白い龍の形のしたものは、その姿を少しずつ鮮明にしようとしていたからである。
それが光の残像ならば徐々に薄れていくのが普通であろうが、それとは正反対の動きをしている。
わたしは高鳴る鼓動を感じながら、目の前の光景をただ眺めることしかできなかった。
怖さや危機感はない。
落ち着きはしないが、安全であるような気はしていた。
光がある程度鮮明になったところで、頭部にはギザギザに尖った角?のようなものが確認できた。
そして、背中にはカジキマグロ(バショウカジキ)のような背びれが連なっていた。
その姿は、わたしの中の龍のイメージそのものであった。

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