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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2012年9月16日日曜日

追憶 208

すると、わたしが口を開けるのを見計らったかのように白い龍は勢いよく降下を始めた。
雷のように素早く降下した龍は、有無を言わせずわたしの口から体内になだれ込んできた。
わたしはあまりのことに驚くしかなかった。
人はあまりにも驚愕したなら何も考えられないことを実感した。
思考が紡げない。
頭の中にはまるで漫画のように「!(びっくりマーク)」が幾つも連なっていたのである。
龍を受け入れるために、顎(あご)が外れるのではないかと思う程に口が開く。
口の次には喉が開く。
食道を通り越し、白い龍は腹の中に収まった。
そして、腹の中でどういう訳か身体を絡ませながら球体を作ってみせた。
それは一瞬の出来事であったに違いない。
しかしながら、わたしにはとても長い時間のように思えた。

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